花びらが多く重なっている花は複雑で難しく
感じるときがあります。
どこから描き始めてよいか分からなかったり、
描いているうちに形がずれてしまうことが
あります。この記事では、複雑な形の花を
描くときの描き方の手順を解説しながら、
花の形を正確に捉えるポイントを
お伝えします。
花を描くときのポイント

花は形が複雑に見えて難しそうですが、
観る順番を決めるとグッと
描きやすくなります。
花を描くときのポイントは、
いきなり花びらを一本一本描かないこと
です。
まず、全体の形と向きを掴んでから、
花びらを増やしていきます。
①全体の形を観る
まず、花全体が丸いのか、細長いのか、
横に広がっているのか、外側の大きな輪郭を
観ます。花全体の輪郭線を決めることで、
描いているうちに形が崩れることは
なくなります。
②中心の位置を決める
花は中心から花びらが広がっているので、
中心がどこにあるのかを見て、
点を打って印をつけておきます。
③向きを意識する
真正面を向いている花と、横を向いている花
とでは見え方が大きく違います。
花がどこを向いているかを最初に決めます。
④花びらを塊で観る
花びらを一枚ずつ別々に観ないように
しましょう。
まずは大きな塊として観ます。
細かいところは、後から足すようにします。
⑤重なりを描く
花びらは前後に重なっています。重なりを
少し入れるだけで、立体的に見えます。
⑥線の強弱をつける
手前の線を少しはっきり、奥を柔らかい線で
描くと自然な花らしい印象になります。
では、この花の描き方のポイントをふまえて
菊を描いていきます。
菊の描き方手順

今回は菊の花を描いていきます。
菊の花は中心に小花が集まっていて、
その周りを花びらが取り巻くように
ついています。
細かい部分は省略しながら
特徴のある形だけを追っていきます。
今回は菊の花の描き方をご紹介しますが、
この描き方は、ダリアやガーベラのように
中心から放射状に広がる花にも応用しやすい
です。


バラのような花にも花弁の重なりを
とらえる考え方として応用できます。
では、菊を描いていきます。

先に大きく形をとります。
輪郭線のアタリをとって花の大きさや葉との
位置関係を大まかに決めます。
中心も決めて点を打っておきます。

アタリをつなげて花びらや葉の骨格を
描いていきます。

この場合の花びらの向きは、
手前の二本がやや左上を向いていて、
奥の一本が右上を向いていますね。
細かいところは省略して単純化するように
形を決めていきます。
花びらや葉の目立つ部分だけを
拾い、花びらを塊で観ていきます。
花びらの向きや長さが一つずつ違うので
大きな特徴を拾って単調にならないように
するのがポイントです。

暗いところに大まかに色を置いていきます。
花の中心は少しだけ窪んで暗くなっている
ので、少しだけ色をのせます。

花びらの外側の輪郭線の細かい部分
を決めていきます。
長い花びらがあったり、手前に垂れている
ものがあったり、花びらの特徴がはっきり
している外側の部分を描いて
花の全体の形を表していきます。

花が白いので、葉を濃く、
背景にも色を付けると花の形が浮き出るよう
な感じで引き立ってきます。

花の陰になっている部分に少し色を付けて
立体感を出していきます。

中心は花びらが密集していて
とても細かいので、細くした練りゴムを
画用紙に押し当てて、花びらを一つ一つ
白抜きするようにすると花びらっぽく
なります。

花びらを一つ一つ描かなくても白抜きする
だけでそれらしい佇まいになります。

花が何本かあるときは、
それぞれ主役と脇役を決めて描き分けます。
今回の作品では、手前を主役とし、
細かい部分までしっかり描くことにします。
奥の二つは脇役として柔らかい陰影で
表現することにします。
同じ花でも画面のなかで手を加えるところと
手を抜く所があるとリズムが生まれて
立体的に見えます。

花びらの白抜きした部分を手掛かりに
中心部分の輪郭線も決めていきます。
どれが手前でどれが奥にあるのか、
重なっている花びらの前後関係を描くと
立体的になります。
複雑でどこを描いているのか、
分からなくなってしまったり、
描いてるうちに位置がどんどんずれてしまう
こともあると思いますが、
全部を描こうとしなくて大丈夫です。
花びらの付き方が不規則でも付き方の規則を
見つけて描いていけば、見た通りに
描けなくても、花らしくなります。
自然物なので、描きづらいところは
省略したり、ずれたりしても大丈夫です。
外側の輪郭線がしっかり決まっていて、
中心の位置がずれていなければ、
大きく形が崩れることはありません。
外側は花びらの形をしっかり描き、
内側は短い線の集まりだけで表現するのも
アリです。

後ろ側の花もねりゴムで白抜きする感じで
花の印象を作っていきます。

主役である手前の花をしっかり描き込んで
いきます。どこが暗いかをしっかり観ます。
この場合は右下の花びらの根元のゾーンが
しっかり暗めになっているので、
そこに思い切り暗い陰影をつけていきます。
暗いところをしっかり示すことで
立体的になります。

奥側の花も目立つところだけ輪郭線や陰影を
付け加えて脇役として完成させます。
葉との陰影のバランスも調整します。
葉は花びらに比べると色が強いですが、
強く描きすぎると花が引き立たなくなって
しまうので注意します。

手前はしっかり描き込み、
線は強めに描いています。
奥は少しボンヤリと線も弱く描いています。
強弱を示すことで、距離感を表すことができ、
奥行きを感じてもらいやすくなります。
実際の花を観察してもそう見えませんが、
絵を描くときの効果として使うと
雰囲気が出ます。
花の描き方・まとめ
花を描くときのポイントは6つです。
全体の形を観る
中心の位置を決める
向きを意識する
花びらを塊で観る
重なりを描く
線の強弱をつける
最初から花びらを描き始めるのではなく、
全体の形を整えることから始めて、花びらの
流れや重なりを加えていくと自然で立体感の
ある花を描くことができます。
風景画にも興味がある方は
こちらの記事も参考になります。


















