球体の描き方や影のつけ方のコツ | 球体は描くべきところが分かれば難しくない

こんにちは、画家の落合真由美です。

今回のテーマは「球体」です。
球体はシンプルなモチーフですが、
その分描写力の良し悪しがハッキリと
出てしまいます。
シンプルなものこそ難しかったりしますね。
デッサンを始めたての頃に割と描く機会が
多いかと思います。
そこで球体を最短でマスターするポイント
を分かりやすく解説していきます。

球体の輪郭をキレイに描くコツ

球体の輪郭線は円の形をしていますが、
いきなり円を描くのはNGです。
円は正方形の仮の輪郭線内に
キレイに収まる形で成立します。
正方形の仮の輪郭線を描くと良いでしょう。
正方形の4辺の中央に円との接地点
ありますね。
その4点の位置が決まったらそれが
円を描いていく基準となります。
正方形の枠に対してどの辺りに
円の輪郭線が来るのか
左右上下対称になる様に
目印をつけていきます。
何ヶ所も目印をつけて最終的に
それを繋げたのが円になる
というイメージです。

この様にに形を測りながら進めることで
正確な円の形になっていきます。
慣れてくれば仮の正方形の輪郭線を
描かなくても自分でイメージしながら
進められるようになるでしょう。

形を決める時は手を機械的に動かします。

脇を絞めて肘と手首を固定したまま描くと安定します。

球体らしく描くコツ

次は輪郭線に調子をつけて
立体的な球体にしていく工程ですが、
立体感を出す一番のポイントは稜線です。
稜線とは形が切り替わる部分を指します。
球体の場合、光を強く当てることで
ハッキリした稜線が見えてきます。
初心者の方ほど光を劇的に当てて描いた方
が稜線を見つけやすく、上達が早まります

稜線を境に上側は光が当たって明るくなり、
下側は陰になり、設置面に近い所に
うっすら反射光が当たるという
大まかなシナリオが見えてきます。

初心者がよく陥りがちなのが、
光の当たらない陰の部分や
設置面から広がる影を
暗く(黒く)し過ぎてしまうことです。

黒から白に移り変わる
ハーフトーン(中間色)の色を
たくさん出すようにすると
自然な球体に仕上がります。

初心者はよく「ハーフトーンが足りない」
というフィードバックを受けがちですね。
では、どうすればハーフトーンは増やせる
のでしょう?

球体を観察すると明るい所から暗い所に
至るまでのグラデーションが
何段階もあって細かく、
そのグラデーションを再現しようと思うと
とても難しいですよね。
問題はなるべくシンプルに抑える
というのが鉄則です。

まずハーフトーンのベースを
作ってしまってから練りゴムで
白抜きをしてハイライトをつけたり、
陰影を付け足していく方法
破綻なく描き進められます。

キレイなハーフトーンのベースを
作るポイントはコチラ↓

◻︎初めは手を規則的に一方向に均一な力で
動かしてFやHBでムラなくキレイに調子を
つける。

◻︎背景を巻き込んで広範囲に淡く調子を
伸ばすと調子の幅が広がる。
(ハイライトや暗い調子が浮きづらくなり
調子の破綻が起きづらくなる)

◻︎暗い部分は2Bから3Bの側面を使って
優しく調子をつけ、Hから2Hでムラを
カバーするように重ねる。

◻︎ある程度画用紙に鉛筆がノってきたら
ティッシュで優しく擦り画用紙に鉛筆を
ムラなく定着させる。

球体の陰影を上手く描くコツ

ハーフトーンのベースがある程度出来たら
球体に陰影をつけて立体的に
描いていきます。
自然な陰影をつけるためには球体それぞれ
部位の光の当たり方の違いで鉛筆の使い方
を変える必要があります。

【稜線】

2B〜3Bをメインに優しく調子をつける。
筆圧を強くしすぎたり重ねすぎると
画用紙に定着せず黒光りしてしまう。

【稜線の下側】

B、HB、Fをメインに使うと
反射光が当たっているマットな質感を
表現できる。

【輪郭線の際(キワ)の処理】

球体の輪郭線は形の回り込みを意識する
ことが大事。
形の回り込みを表現するには
輪郭線の際(キワ)のトーンに幅を持たせる。

キワのトーンと背景のトーンの明暗を
見比べてみる。

見比べてみることで
「背景と同じくらいの暗さだなあ」
とか
「背景より暗いな、明るいな」
というように気付けるので
陰影を描き分けるヒントになる。

背景を完全な白で描くより
背景にも調子を付けた方が
簡単に立体感な絵が描ける

球体の影を描くコツ

影を描くポイントは
設置面と影の形を正確に描くことです。

球体が床に触れている部分とその周り
影が濃くなっています。
また、にも形があります。

この二つの形や影の濃さを正確に描くこと
が大事です。
なんとなくうっすらぼかすのではなく、
影の色や形を正確に描くのです。

どうしたら正確に描けるのかというと、
周りと見比べることです。

影の色の濃さは
球体につけた陰影や背景の陰影に比べて
どのくらいの濃さなのか、
影の形は球体に対してどのくらいの大きさ
でどんな角度で落ちているのか、
周りと辻褄を合わせることで
正確に捉えることができます。

影の質感を出すためにはH系の鉛筆を
使います。
設置面付近の濃い部分はHBくらいで
良いでしょう。
影はフラットでマットな質感なので
鉛筆を均一な力で一方向に動かし
ムラのない色調を作ります。

まとめ

球体を描くコツを解説してきましたが
いかがでしょう?
シンプルなモチーフこそ難しいですが
問題がはっきり見えて取り組みやすいので
ぜひ頑張っていきましょう。
球体が描ければそのほかの果物など球体状
のモチーフに応用できますね。

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