色彩センスや知識がなくてもOK | 初心者もできる調和のとれた色の組み合わせ

こんにちは、画家の落合真由美です。
今回は「色」についてのお話です。
色の扱いはできる人は感覚的に
楽しんでできてしまうものですが、
苦手な人は
「自分には色彩センスがないから」とか
「色彩学など専門的なことを学ばないと
ダメなのかな?」とか
余計難しく考えてしまっている気がします。

「色彩を学ぶ」と聞くと
ちょっとハードルが高いですが、
実際は本格的に勉強しなくても
自分で楽しみながら
ちょっとしたコツを掴んでいくことで
自然とあなたらしい色彩センスが
磨かれていきます。

 

普段無意識に色の組み合わせを考えている

私たちは普段色々な場面で
色に触れていますし
無意識に色の組み合わせを考えています。

日常や絵以外のジャンルで
やっていることの延長で
色のことを考えてみると
面白い感じになっていきます。

絵以外のジャンルだと
これらの何かしらを見たり
自分でやってみたりしたことがあるのでは
ないでしょうか?

ファッション

メイク

ネイル

園芸やお花

手芸

料理

インテリア

映画

写真

旅行

風景

これらの日常の経験を
絵に落とし込んでいきましょう。

 

ファッション界のパーソナルカラー

例えばファッション、メイク、ネイル
の世界だったら
自分に似合うパーソナルカラー
あったりします。
パーソナルカラーとは
肌や髪、瞳の色と雰囲気がマッチする
色のことです。
自分のパーソナルカラーを知らなくても
自分に似合う色や好きな色があったり、
全体の配色をみて
コーディネートしていたり、
主役になる色を一つ持ってきたら
他は抑え目の色にしてみたりなど
無意識に考えてやっていると思います。

園芸、手芸、料理でも
彩りのバランスを見ますし、
インテリアでも自分の好きなテイストで
まとめたりするときに色を見ますよね。

こういった趣味がない方でも
映画や写真をみたり、
旅行に行ったときに見た風景に感動したり
日常の自然風景にホッとしたり
何かしら色彩に触れていると思います。

色の扱いはこういう日常で
ちょっとでも感動した経験の延長で考える
と楽しめます。

 

調和のとれた色の組み合わせとは?

例えば私はよくファッションの分野から
ヒントを得て
使う色や配色を決めたりしています。

自分に似合う色であるパーソナルカラーは
「色相・彩度・明度」を軸に
色の雰囲気を
春・夏・秋・冬の四季に例えて
4タイプに分類します。

「色相・彩度・明度」については
このあと解説します。

この分類だと私は「冬」タイプなのですが
このタイプは寒色系の鮮やかで
クリアな色やモノトーンが似合う
とされています。
このカラーパレット内から
色をチョイスするようにすると
調和のとれた雰囲気になります。
この色の使い方は
絵の世界にも活用できます。
また、ファッションはその年によって
トレンドカラーが変わるので、
淡いカラーや
目の覚めるようなビタミンカラー、
清涼感のあるカラー、
サファリ調のナチュラルカラーなど
常に鮮度ある色使いが目に入ってきます。
季節によっても
春にはパステル調の優しいカラー、
夏には生き生きとした鮮やかなカラー、
秋はコックリ深みのあるカラー、
冬は華やかでシャイニーなカラーなど
使う色の雰囲気が移り変わります。

このように絵の世界以外に
たくさんヒントは転がっているので
自分の何かしら興味のあるジャンルから
「自分の好き」を見つけて
絵を描く時の配色に使ってみたりして
自分なりの色の扱い方を
身につけていくのです。
義務感で色を「学ぶ」より
「好き」という動機が一番です。

 

色彩センスがない人とある人の違い

色使いがダサく見えてしまったり、
統一感がなかったり、
濁って見えたりしてしまう要因として
無闇に色を使いすぎていたり、
相性の悪い色同士を
組み合わせてしまっていることが
考えられます。
この色をチョイスするセンスは
初心者でも簡単に鍛えることができます。

 

初心者もできるセンスある色の組み合わせ

色彩センスに自信がなくても
専門的な知識がなくても大丈夫です。
センスある色の組み合わせをするための
具体的な方法をご紹介します。

 

テーマカラーを決める

まずテーマカラー(主役にする色)を
一つ決めましょう。
自分の好きな色やその時の気分、
描くモチーフの雰囲気から色を決めます。
このテーマカラーをしっかり決めることが
作品の色彩バランスを左右します。

テーマカラーを決めたら次は
その色が引き立つように
他の色もチョイスしていきます。

 

テーマカラーと相性の良いカラーを選ぶ

次に
テーマカラーが引き立つ色を選ぶには
どうしたら良いか?ですが、
色をたくさん使っていても
心地良く見える絵には
実は色のチョイスに統一感があります。

どうやって統一感を持たせているか
というと、

 

「色相・彩度・明度」を統一させる
ことです。

 

このあと詳しく解説していきます。

 

「色相・彩度・明度」とは?

 

色相とは
赤、オレンジ、黄、緑、青、紫のような
色の違いのことです。

 

彩度とは
色の鮮やかさの度合いのことです。
鮮やかで派手な色ほど彩度が高く、
落ち着いた地味な色ほど
彩度が低くなります。

 

明度とは
色の明るさの度合いのことです。
白に近いほど明度は高く、
黒に近いほど明度は低くなります。
赤や緑などの色の場合は
白黒に置き換えて明るいか暗いか
判断します。

 

この色相・彩度・明度のどれかに
統一感を持たせて色を選んでいきます。

 

【色相に統一感を持たせる】
例えばテーマカラーに緑を選んだら
その他にチョイスする色も
同じ緑系統のグラデーションにします。
緑以外の色を使う場合は
ほんの少しの分量だけ使います。

 

【彩度に統一感を持たせる】
鮮やかで派手な色を中心に
色をチョイスする、
もしくは落ち着いた地味な色を中心に
色をチョイスする
という感じで統一感を持たせます。

 

【明度に統一感を持たせる】
明るいトーンの色で揃える、
もしくは中くらいの明るさのトーンで
揃える、
もしくは暗いトーンの色で揃える
など色の明るさを統一させます。

 

色の配置に迷った時の対処法

使う色を決めたらどのくらいの分量で
どのように配置するか
迷ってしまう方もいますよね。
描きたいものや描きたいテーマが
決まったら
それは色相・彩度・明度の
どれに統一感を持たせるのが
ピッタリなのかイメージしてみましょう。

 

 

このモチーフだと
黄緑系の色で
色相に統一感を持たせると
上手くいきそうです。

 

 

 

このモチーフだと
鮮やかな黄色や緑、赤など
彩度に統一感を持たせると
上手くいきそうです。

 

 

 

このモチーフだと
ちょっとくすんだ中間くらいの明るさの
明度で統一感を持たせると
上手くいきそうです。

 

 

具象画を描く場合は基本的には
観察する対象とあまりかけ離れすぎない
色使いをするのが
一番迷いがなくスムーズです。

見たままに近い色使いではなく
自分で色をアレンジした具象画や
抽象画を描く場合の色の配置で迷ったら
何かの資料から色の配置をマネしてみる
良いでしょう。
日頃から参考になりそうな絵画や写真作品
をストックしておくと
色のチョイスや配置バランスを
学ぶことができますし、
迷ったときのヒントになります。

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まとめ

色彩センスは日常のあらゆるジャンルに
ヒントが転がってるので
楽しみながら自分の「好き」を
追求して身につけていきましょう。
自分が気に入ってないまま描き進めても
絵を見る人には
迷っている感じが伝わってしまうもの
だからです。

「色相・彩度・明度」を軸に
色を構成する場合、
難しかったら目立つ色は
3色くらいまでにしておく
作品がまとまりやすくなります。

ぜひやってみてください。

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