油絵を始めると、絵の具以外にどんな油を
使えば良いのかで迷いやすいものです。
特に、溶き油と溶剤の違いが分からないと、
選び方や使い方が難しく感じられます。
この記事では、油絵で使う油の種類と
使い分けを、初心者にも分かりやすく
解説します。
油絵で使う油の種類
油絵を描くときに使う油を総称して
画溶液と呼びます。
数ある画溶液も
大きく分ければたったの2種類です。
それは
溶き油と溶剤
の2種類です。
溶き油とは
油絵の具の色を薄めて筆さばきを滑らかに
するものです。
溶剤とは
絵の具のコシを弱めるものです。
画溶液を購入する際もこの2種類を揃えれば
大丈夫です。溶き油と溶剤にはそれぞれ
どんな種類があるのか後ほど解説していきます。

油絵の具自体が油で練ってあるので
画溶液を加えなくてもそのまま描ける性質
を持っています。では画溶液を使うことで
どう描きやすくなるのでしょう?
<画溶液を使うメリット>
・絵の具の伸びが良くなる
・薄塗りになることで乾燥時間の短縮になる
・透明感が高まる
・薄い層の塗り重ねにより美しい発色になる
・耐久性のある皮膜ができる
このように画溶液を使うことで油絵の長所
でもある柔軟性や透明性をより高めて制作する
ことができます。
油絵を始めたての頃は
どうしても厚塗りになってしまう傾向があります。
すると乾燥が遅れる中で塗り重ねてしまい
筆さばきが悪くなったり色が濁ってしまったり
悪循環に陥ります。画溶液を正しく使うことが
油絵の上達にも繋がります。
溶き油と溶剤の違い
溶き油
<溶き油の特徴>
・油絵の具の色を薄めて筆さばきを滑らかにする
・乾燥して固まると美しい光沢を放つ
・絵の具のキャンバスへの固着力を高めてくれる
<溶き油は植物油と調合油の2種類>
①植物油
植物の実から採油した油で代表的なものが
リンシードオイルとポピーオイルです。
リンシードオイル

亜麻の実から採油するので別名として
亜麻仁油と呼ばれています。
乾燥が早く固着力があり耐久性のある皮膜が
できます。ただ乾燥後に日数が経過すると
黄変することがあるので大量に使わないように
注意しましょう。
ポピーオイル
ケシの実から採油したものです。
リンシードに比べると透明に近く
ほとんど黄変の心配なく使えます。
ただリンシードに比べると乾燥が遅く
亀裂が起こりやすくなるのが難点です。
私のおすすめはリンシードオイルです。
耐久性のある皮膜形成ができるのが最大の
メリットですし、黄変しないように使用量に
注意しながら使用すれば心配いりません。
②調合油
植物油をベースに数種類の性質の油を混ぜて
一つの溶き油にしたものです。
ペインティングオイルという名前で
販売されています。
以下のものが調合されています。
・植物油(リンシードやポピーオイル)
・溶剤(テレピンやペトロール)
・樹脂‐薄い皮膜を作り艶を出す
溶剤
<溶剤の特徴>
・常温で気化するので皮膜が形成されない
→描画の際は単独で使わずに
必ず溶き油と混ぜるようにしましょう。
・絵の具のコシを弱めてトロトロにする
・筆さばきが軽くなる
・浸透力があり絵の具の密着を高める
・筆などについた絵の具の除去もできる
<溶剤の種類>

テレピン(松から得られる植物性の精油)
ペトロール(石油を精製した油)
私のおすすめはテレピンです。
テレピンのほうが比較的絵の具の固着を
促進する効果があり艶が出やすいです。
それぞれの使い方
①まず溶き油を用意
初めはペインティングオイル一本のみを
購入してしばらくそれだけで描いても
良いと思います。ペインティングオイルは
元々調合してある油なのでこれだけでも
十分使いやすいです。
慣れてきたら自分のさじ加減で調合して
使える様にリンシードにしていきましょう。
いずれにしても溶き油は大量に使わない
ことです。使いすぎると乾きにくくなったり
乾燥後に黄変する原因になります。
筆が湿る程度に絡ませ絵の具と混ぜて
描いていきましょう。
②溶剤(テレピン)を用意
ペインティングオイルでもリンシードでも
いずれにしても筆さばきを軽くしたいときは
溶き油にテレピンをほんの少量混ぜて
使いましょう。
③必要に応じて買い足し
基本リンシードとテレピンがあれば油絵が描けます。
必要に応じてワニスや乾燥剤
を買い足していっても良いと思います。
ワニスとは樹脂を画溶液に溶いたもので
画面の艶や透明性、絵の具の固着力を
高めてくれるものです。
乾燥剤はシッカチーフという名前で
販売されています。特に乾きの悪い絵の具
を使う場合のみ少量使うと乾燥の促進に
なります。ただ乾燥剤は大量に使うと
絵の具の剥離や縮みの原因になるので
使いすぎないように注意しましょう。
まとめ

ここまで画溶液の種類と使い方について
解説してきましたがいかがでしたか?
結局必要なのはリンシードとテレピン
の二種類だけなんです。
画材屋さんに行くと
つい色々使ってみたくなりますがまずは
基本の道具を使いこなすことが大事です。
油絵の醍醐味である絵の具の伸びで繊細な
タッチを楽しむこと、色の透明感を楽しむこと
を画溶液を補助にしながらやってみてください。



















