こんにちは、画家の落合真由美です。
わたしは油絵を描き始めたころ、油絵の具の
扱い方に戸惑ってなかなか上手く描けません
でした。しかし油絵の具は乾燥に時間が
掛かるものと割り切り、乾かしながら
描き進めていったことで自分らしく描ける
ようになっていきました。
油絵は扱い方や描き進め方を知れば、はじめ
の一歩を踏み出しやすくなります。
一見難しそうな油絵の手順を簡単に
マニュアル化してみましたので
油絵に挑戦してみようとしている方も、
始めたけど思うように描けない方も基本工程
をシンプルにたたき込める内容に
なっています。初めから色々やろうとせず
基本の工程を身につけることでイメージ通り
の絵が描けるようになります。
目次
油絵の基本工程とは?

まずは油絵に必要な道具を揃えましょう。
こちらのページで解説しています。
↓
油絵に必要な道具を揃えたら、
その次に肝心なのはどんな風に描き進めて
いくかですね。
油絵の基本工程をシンプルにまとめると
このようになります。乾かしながら段階を
踏んでいくことで行き当たりばったりの作品
ではなく思い描いたイメージ通りの作品に
なっていきます。
今どの工程に取り組んでいるのか意識
しながら描いていきましょう。
地塗り
↓
エスキース
↓
色面のベース作り
↓
形を描き起こす
↓
背景を描く
↓
細部を描き込む
↓
全体感の調整
それぞれの工程についてこの後
解説していきます。
地塗り

キャンバスに一層目の絵の具をあらかじめ
塗っておくことでキャンバスの目がフラット
になり描画をしやすくします。
地塗りの色に迷ったら中間色にしましょう。
鮮やかな原色ではなく、くすんだ中間色を
塗っておくとこのあとの明暗の描写が
しやすくなります。
絵の具にメディウムを混ぜて乾燥時間を短縮
します。表面を滑らかにしたい場合は完全に
乾かしてからサンドペーパーでこすって
仕上げます。
エスキース

作品の下絵のことです。どんな絵にしたいか
の構想をしっかり練って大まかな完成図を
ラフに描いておきます。小さくて簡単で良い
のでクロッキー帳に鉛筆などで10分くらい
かけて描いておきましょう。
どんな構図にするか
絵の主役は何か
光はどこから当たって影はどこに落ちてるか
どんなことを表現したいのか
これらを考えてエスキースしておくと
絵の方向性を固めることができます。
色面のベース作り

エスキースしたことを実際のキャンバスに
落とし込んでいきます。
まず使う色を決めましょう。
明るいところ、暗いところ、固有色で
必要な色は何か?
暖かみのある画面にしたい、
爽やかな画面にしたいなど目指す全体の
雰囲気で使う色系統も変わってきますね。
この段階では構図、全体のバランスを
大きくとらえて土台となる色面を作っていく
ことです。
モチーフの光が当たっている部分、
陰になっている部分、影の部分、背景、
固有色それぞれを大きな色面で捉えて
色を置いていきます。
この土台作りはとても大事です。
後から修正しなくて済むように
この下塗りの段階で
エスキースした方向性が見えているか、
明暗の関係が大まかに掴めているか
見直すことが重要です。
筆やペインティングナイフを使って
薄く均一に観察した色やイメージした色に
近づける様に混色します。
色相環を見ながら色を選んで混ぜると
イメージ通りの色を作りやすくなります。

色を混ぜる時は少量ずつ加えていくと
修正しやすくなります。
乾燥時間を早めるためにメディウムも
使いましょう。
ここでは細かい部分にはこだわらずに
大まかに形を捉えて色を置いていきます。
下塗りの段階がしっかり計画的だとやり直し
がなくなりスムーズに描き進められます
また制作中は埃がつかないようにしましょう。
埃がついたまま乾燥すると取りにくく
なります。アトリエを清潔に保ったり、
筆やパレットを使用後に洗ってきれいに扱う
ようにしましょう。
形を描き起こす

作った土台を活かして大きめの平筆で形を
立体的に描き起こしていきます。
赤、青、黄色、白、黒の
基本のこの5色は最低限パレットに出し、
色の強さと明るさを見ながら混色します。
混色するときは少しずつ色を足していくよう
にしましょう。
メディウムやシッカチーフなどの乾燥促進剤
を必要に応じて使います。
筆の動かし方やキャンバスへの当て方を
変えるだけで様々な質感になっていきます。
描き起こし方は主に3つです。
色を並べる
単色のモチーフでも光の当たり方で部分に
よって見えている色が違います。
対象をよく観察して筆で混色し、色を並べて
いきます。
色の濃淡をつける
濃淡の付け方は2つです。
混色によって濃淡をつける方法と
絵の具の分量によって濃淡をつける方法です。
近いところや光が当たっているところは濃く
見え、遠いところや陰になっている部分は
淡く見えます。
色を重ねる
不用意に色を重ねてしまうと色が混ざって
濁ってしまう原因になるので、重ねる場合は
半乾きもしくは完全に乾いてから重ねるのが
ポイントです。同系色や近い色相の色同士は
混ざってもきれいなニュアンスを作れるので
乾かないうちに重ねる場合は近い色相同士か
ポイントです。
背景を描く

主役が引き立つように描いていきます。
主役が引き立つような背景を描くには
空気遠近法と色彩遠近法を使います。
空気遠近法
遠くのものほど弱く淡い濃淡で小さく見える
ことから色の濃淡によって前景、中景、遠景
を描き分けていきます。
前景は濃くはっきりと、遠景は淡く茫漠と
した感じに描くと遠近感が出ます。
色彩遠近法
色の持つ視覚的な効果から前景、中景、遠景
を描き分ける技法です。
暖色系の絵の具は飛び出てくるような
インパクトを与えます。
逆に寒色系は静寂で奥行きを与えるような
効果があります。前景は暖色で、遠景は寒色
で描き分けると距離感を分かりやすく伝える
ことができます。
細部を描き込む

細部を描くときは全体のバランスを見ながら
描いていきます。
小さめの筆を使って色の濃淡をつけて
立体的に描きましょう。
絵の具の層を重ねて立体感や質感を出すこと
もできます。
絵の具が乾く前に重ねると色が濁ってしまう
のでしっかり乾かすことが大事です。
画面を離れた位置から何度も見直して
細かく描いた部分が全体に馴染んでいるか
確認しましょう。
絵は光と影を丁寧に描くとリアリティーが
増していきます。
光が当たる部分と影になる部分をしっかり
描き分けましょう。光が当たる部分は暖色系、
陰になる部分は寒色系を使うと雰囲気が
出ます。
陰になる部分に安易に黒やグレーを使うと
強すぎて浮いてしまうので実物の色をよく
観察して混色しましょう。
陰の部分は層を重ねて表現すると自然です。
基本的にチューブから出したままの黒の色は
使わないほうが自然でリアリティーのある
雰囲気に仕上がります。
黒を表現したい場合は色相環の補色同士を
混色して作るか、黒に何かほかの色を混色
して黒の濃度を押さえると良いでしょう。
光と影を丁寧に描いていくことで
リアリティーが増すように、
高いコントラストで描くことで立体感は
出しやすくなります。色の見え方は相対的な
ものなので明るい部分と隣り合っている部分
は暗く見えます。明部と暗部を実際よりも
強調気味で描いてみると絵に劇的な照明効果
が生まれ立体感が生まれやすくなります。
このときも色の調和の確認を忘れずに。
画面を遠くから客観的に何度も見てバランス
が崩れていないか確認しましょう。
全体感の調整

集中して描き込んだら最後の調整です。
描き込んでいるときは部分的な視野に
なりがちなので調整をしていく必要が
あります。
形は狂っていないか
明暗の辻褄はあっているか
主役が引き立つ画面になっているか
自分の作品を写真にとって見てみると
客観的に問題点が見つけやすくなります。
まとめ

油絵の描き方の工程を簡潔に解説しました。
油絵は
エスキースをしっかりすること、
乾かしながら絵の具の表情を楽しむこと、
明暗の関係をしっかり描くこと、
全体感をしっかり見直すこと
が大切ですね。
















