【絵を頑張っている方へ】努力は才能にも勝る | 結果の出る正しい努力と無駄な努力

こんにちは、画家の落合真由美です。

よく絵の上手い人は
「生まれつき絵の才能が
あったんでしょ?」とか
「子供の頃から絵が上手かったの?」
などと訊かれたりすると思います。

私は個人的に絵を描く能力
才能とか遺伝もあるかもしれないけど
最終的には努力次第だと思っています。
絵が上手くなりたくて練習している方、
美大を目指している方に
ぜひ聞いてほしいお話しです。

私自身、美大を目指していた予備校時代、
周りにはもともと感覚が良く上手い人は
いるものの力の差は最初は
そこまで大したことなく、
描写力アップにはフィードバックを
重ねながら枚数をこなしていくことが
必須でした。
特にデッサンの技術においては
努力によるところが大きいです。
私の周りには本当のド素人で始めても
一年間必死で練習して描写力を上げ、
見違えるほど上手くなり
芸大に現役合格した生徒もいました。

個人差もありますが
最短一年間必死で練習すれば
ベーシックな部分の描写力の習得は
できます。
ただ努力の仕方にも
結果の出る正しい努力と
残念ですが無駄な努力があります。
その努力の仕方について
今回はお話ししていこうと思います。

正しい努力と無駄な努力

努力したからと言って
必ずしも上手くなるわけではありません。
努力することだけが目的になってしまって
自己満足に陥ってしまっては
成長は難しいですね。
やり方が自分に合っていなかったり、
理解していないのにやり続けても
無駄な努力になってしまいます。

結果に結びつく努力とは
客観性が伴っているかどうか
で考えていくのがポイントです。
絵を描く行為は
ずっとモチーフと自分と向き合う作業
なので、
どうしても視野が狭くなって
井の中の蛙になりがちです。

つい陥ってしまいがちな無駄な努力の例
としてこんなことが挙げられます。

自己流を貫きすぎる
フィードバックをもらわずにやり続ける
自分の長所・癖・課題を把握しない
基本を怠ってテクニックに走る
目標やゴールイメージを定めない

こうならないためにも
自分と客観的に向き合っていく方法や
取り組み方をこれから解説していきます。

何のために絵を描くの?

努力の過程では、上手くいかなかったり、
マンネリに陥ったり、
スランプに陥ったり
色々ありますよね。
私も受験生時代は
「何のために絵を描いてるんだろう?」
と絵を描く意義がよく分からなくなり
モチベーションキープが難しい時期が
ありました。
毎日絵を描いていると
時々分からなくなるのです。
その「何のために?」の部分を
しっかり決めておくといいと思います。

絵は結局見てもらう人がいてこそのもの
なので、
「自分の作品によって見る人に
何を提供したいのか?」
が最終的に大事になってきます。
それが今後の描画活動の原動力に
なっていきます。

提供するものの考え方は
ポジティブマインドが基本です。
たとえ扱うテーマが残酷なものや
難解なものだったとしても
「見る人に勇気や希望、感動を与えたい」など根本の姿勢が
「人のため」であればずっと
モチベーションを上げ続けることが
できます。
ぜひ考えてみてください。

上手い人にフィードバックをもらおう

本気で絵を上達させたいなら
完全に独学でやり切るのは難しいです。
誰しも見方や描き方の癖があって、
それを修正していくには必ず
客観的な検証
上手い人からのフィードバックが必要です。
自分の課題が分かるだけでなく、
描く時のマインドやモチベーションの
キープ方法まで見えてきたりします。
そして自分にとって必要な努力の仕方を
見出していくことができます。
また、自分のやり方が間違っていた
としても早めに軌道修正することが
できます。

絵を描く環境が大事

独りで描くよりも圧倒的に

同じ目標を持つ仲間がいる環境
描いた方が上達が早くなります。

また高いモチベーションを
キープし続けることも可能です。
描く環境が整っている方が
より集中して取り組めるのです。

たとえば…

・周りと比べることで自分の作品を
冷静に客観的に見られる

・周りと比べることで自分の得意、
不得意が分かる

・周りと比べることで自分の描くスピード
や描き方の癖が分かる

・ライバルがいることでヤル気が上がる

・ライバルと悩みを共有でき励みになる

仲間のいる環境によって、
自分らしい表現や得意な表現を確立でき、
自信やヤル気に繋がっていきます。
また自分と似たような課題を持っている
仲間はどのように取り組んでいるのか、
逆に自分の不得意なことが得意な仲間は
どうこなしているのかも間近で見られる
ので自分の視野を広げることができます。

努力の記録をつけよう

絵を一枚描くごとに
取り組み過程を記録しましょう。
上手くいったことや課題点を
記していきますが、
自分の感想だけではなく、
もらったフィードバック
を記していくことが大事です。

フィードバックをもらったとき、
改善点を自分がしっかり理解できているか
が大事です。
感覚や言い回しには個人差があるので
フィードバックしてもらう人と
しっかりコミニケーションをとって
自分の感覚に落とし込んでいきましょう。
そして響いた言葉をどんどん書き留めて
実践していきましょう。

たとえば私が美大受験生だった頃、
自分の課題点を色々考えすぎて
迷いながら描いてしまっていた時
のことです。
予備校の先生からこんな言葉を
掛けられました。
「(描いたモチーフの)佇まいが自然なら
それでいいんじゃない?」
その言葉でスッと迷いが消えて、
部分的な見方ではなく
自然な佇まいになるよう、
全体のバランスをみて
描けるようになりました。

また、私は描くスピードが遅いことを
よく指摘されていました。
モチーフの形や明暗の度合いを
決め切らずに先延ばしにする癖が
あったのです。
決められた6時間の制作時間ギリギリに
形や明暗が決まる感じでした。
先生からは
「画用紙から鉛筆を離すな、
休まず描き続けろ」
「6時間かけて出来るクオリティーの絵を
3時間で描けるようになりなさい」
と言われ続けました。
私は
「形を今決めないでいつ決めるんだ?」
と自分に言い聞かせながら
2倍速描画を実践しました。
その結果、描くスピードを上げたことで
描き込む手数を増やすことができ
絵のクオリティーを上げることが
できたのです。

フィードバックから得た言葉によって
自分のマインドが確立され、
確信を持って取り組むことができます。
その時の感覚を忘れないように記録して
努力を継続しましょう。

時間管理をしよう

努力をするにも時間を決めて
生産性を上げていこうという考え方です。
制作時間を決めてしっかり集中するのと
制作時間を決めずにダラダラ描き続ける
のとでは絵のクオリティーも成長具合も
違ってきます。

制作時間を決めれば自ずと
タイムスケジュールを組むことになります。

たとえば6時間の制作時間なら
2時間経過時点で
形や明暗がある程度決まっていて、
4時間経過時点でほぼ完成に近づいていて、
残りの2時間で
仕上げの描き込みをしていく
というようにゴールまでの過程を
段階を踏んでイメージしていくことに
なります。
こうすることで時間が無駄にならず
取り組んだことが
しっかり身についていくのです。

形を正確に描けるように頑張ろう

描画の基本技術としてまず頑張りたいのが、
モチーフの形を正確に描けるようになる
ことです。
形を正確に取るのは難しいことなのですが、
努力の過程で形が狂ったまま
絵を描き進めるのは結構しんどいことです。
モチーフの印象に近づかずに
ヤル気を無くしてしまいがちです。
形を捉える訓練として
モチーフに人物石膏像
選んでみましょう。
人物や石膏像の顔の部分は
形が狂っているとすぐに分かります。
これらはとても難しいモチーフなのですが
形を捉える訓練には最適です。
形を正確に描くことが
だいたい出来れば後は何とかなるものです。

人物画や石膏デッサンは最初は
上手くいかず辛いのですが、
たくさん枚数をこなすほど
力がつきますので頑張りましょう。

普段、静物画や風景画をよく描く方でも
モチーフに人物画を取り入れてみるのは
オススメですよ。

また、気軽にできるトレーニングとして
クロッキーがオススメです。
小さなクロッキー帳に
1枚5分くらいのペースでたくさん描いて
練習しましょう。
形の全体感を素早く捉えられるように
なります。

まとめ

努力の仕方について
具体的に解説してきました。
今回ご紹介した取り組みは
長期的に取り組んでいく必要があり、
根気がいるものです。

ですが、諦めずにこれらの努力を
続けることによって必ず上達します。
諦めないでやり続けましょう。
描画技術が上がれば、
あなたの絵の表現にも
説得力がでてきますよ。
頑張りましょう。

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