絵を描いていてスランプになったらどうする?描写力を安定させスランプを抜け出す方法

こんにちは、画家の落合真由美です。

楽しく調子良く絵を描けていたのに
ある日を境に
上手く描けなくなってしまったり
描く気が起きなくなってしまったり
することがあります。
スランプと呼ばれるものですね。
皆さんはこんな経験はあるでしょうか?

スランプという言葉は
「力が一時的に衰え気味で
仕事の能率や成績が落ちる」
という意味合いで使われています。
絵を描くのが楽しくなく
上手くいかなくなるのは辛いですよね。

上達を目指して日々絵を描いていると
誰しも壁にぶつかるでしょう。
浪人生活の長かったわたしも
何度も壁にぶち当たって
何度も乗り越えてきました。

今回は
「どうしてスランプに陥ってしまうのか、
スランプを抜け出すには
どうしたら良いのか」
についてお話ししていきます。

 

スランプに陥る要因

なぜスランプに
陥ってしまうのでしょうか?
今まで調子良く描けていたのに
ある時上手く描けなくなってしまうのには
理由があります。
それは描く力やマインドが
安定していないからなんですね。

絵を学びたての頃や
色々上達してきて
出来ることが増えてきた頃に
起こりやすくなります。

上達途中の段階だと
たまたま上手く行ったりすることも
ありますし、
得意なことと苦手なことが
両方あったりするからです。

たとえば
得意なモチーフを描いているときは
調子良く描けて上達したように感じます。
逆に苦手なモチーフを描いているときは
上手くいかず
下手になってしまったかのように
思えてきます。
人は誰しもその人なりの描き方の癖が
あります。
こういう自分の描き方の癖が
分かってくると
描き方もコントロール出来てくる
ものですが始めたての頃は
なかなか自分を客観視できないので
自分の得意不得意に
振り回されてしまうのです。

また勉強のために
上手い作品や上手い人の描き方を
マネすることも多いですよね。

マネをすることは上達の第一歩です。
マネして描いてみたら上手くいって
身についたような感覚にもなります。
ですが描き方のテクニックだけ覚えるのは
観察の基礎がおろそかになりかねないこと
ですので注意が必要です。
テクニックを先行した
何となく上手い雰囲気の絵は
基礎をしっかりとやった絵に負けますし、
自分の観察眼から出てきた描き方ではない
ので描く力は不安定になります。

この様に描く力が安定していないことと
テクニックだけを意識した
表面的な描き方になってしまうことで、
つまづくとなかなか
自分から抜け出せなくなってしまうことが
あります。

 

スランプになった時の気持の切り替え方

スランプに陥った時に一番辛いのは
気持ちの面だと思います。
前向きに切り替えていくための考え方を
ご紹介します。

 

誰かと比べない

周りには自分より上手い人もいますが
人それぞれ得意不得意があります。
デッサンが上手い人でも
発想力が弱いなど何かしらコンプレックス
を持っているものです。
始めた時期や練習量など
バックグラウンドが違う誰かとは
本来比較対象にはならないものです。
自分の良さが開花したり
自分自身納得できるようになるまでの
時間には個人差があります。
誰かと比べて不必要に
後ろ向きになってしまうようであれば
昨日までの自分を比較対象に
していきましょう。

 

言われたことを気にしすぎない

美術予備校の講師などに
作品を講評してもらった時などに受けた
様々なアドバイス。
なかなか理解できなかったり、
納得できなかったり、
いろいろ言われすぎて
分からなくなってしまって
かえって描きづらくなってしまうことも
あるでしょう。
でも大事なのは
自分を見失わないことです。
人の価値観は様々なので
講評してもらう人によって
言われることも違います。
その時の自分のコンディションによって
受け止め方も違ってきます。
自分のことを分かってくれている
技術のある人に講評してもらうように
しましょう。

また真実はたった一つでなく
多数存在するものです。
ある人に言われたことも正しいし、
また別のある人に矛盾したことを言われた
としてもその意見も正しいと言えます。
ある人の意見も
世の中に多数ある中の
価値観の一つだと捉え、
凝り固まらずに最終的には
自分で判断して自分なりの描き方を
自分で見つけていくことが大事です。

 

やる気が起きなくてもやってみる

絵を始めて間もないころ、
描く習慣がしっかり身についていないと
ちょっと上手くいかないことがあるたびに
描く気が起きなくなってしまうことが
あります。
でもそんなときは無理して
描いてみてください。
できれば描く仲間が周りにいるところで
描いてみるのがおすすめです。
独りだとなかなかやる気が起きない
かもしれません。
周りが集中して描いている環境に
身を置くことで
絵に向き合う姿勢とか描き方とかに
良い影響を受けて
励まされることがあります。

 

目的を見失わない

わたしはよく
「なんで毎日こんなに
絵を描いているんだろう?
何のために描いているんだっけ?」
と浪人生活でのスランプに陥るたびに
思っていました。
そのときは分からなかったのですが
ただ自分のためだけに描いていると
このように目的を見失いがちになる
のではないかと思います。

絵は見てもらう人があってこそのもの
なので相手に何を伝えたいか、
何を見てもらいたいか、
何に応えたいのかを軸にする
良いのではないかと思います。

学生の時は自分のために
絵を描いていましたが、
社会に出て仕事をすると
世の中のニーズに応えていくことが
第一になります。
その目線で考えていくと
絵も相手軸で考えていくと変わってきます。

美大受験では
出題者や見る側の目線になって
描いていくと
描く「目的」というものが
はっきり確立されてきて
スランプも乗り越えられる
のではないでしょうか?

 

スランプは成長であると認識しよう

スランプはある意味、
自分が成長した証でもあります。
自分の絵を客観的に見れるようになった
ということでもありますし、
実力が上がってきたことで
目標レベルも上がって
成長できていることになります。

今の自分が次に達成できるであろう
現実的な目標を立てましょう。
理想を高く持ちすぎると
せっかく少しずつ成長してきているのが
見えづらくなってしまうかもしれません。
自分の成長に目を向けることも大切です。

 

描く力を安定させるには

技術面で安定した描法を取る
ということも大切です。
この描き方をすることで
浮き沈みなく
コンスタントに力を発揮することを
目指します。

 

まずは最低限描ければ良い

誰もやってないような奇抜なことや
ハイレベルなことを目指して
作品が破綻するようなら、
まずは平凡でも基礎を
実直に取り組んでいくようにしましょう。
いつもハイパフォーマンスをするのは
結構辛いと思います。
完璧を目指さなくても
80%くらいの出来を
安定して継続させることが
確実だといえます。
美大受験でいえば
合格ラインの平均レベルくらいを
いつでも発揮できるようにしたほうが
間違いなく力がつくといえます。

 

時間を有効に使う

上手く描けなくて試行錯誤し
何度も描いては消してを繰り返して
悪戦苦闘することもあると思います。
しかし注意したいのは
ダラダラ描き続けないことです。
上手くいっていない作品を
無理して徹夜などをしてやりつづけても
大抵その作品は良くない出来で終わります。
上手くいっていない時に
疲れた頭で訳もわからず
同じことを繰り返しても
時間の無駄になってしまいます。
しっかり休んで
やるときは時間を決めて
集中すると良いでしょう。

絵を描くときの「集中力」が続かない原因とは?絵を描く「集中力」の高め方

 

 

描くスピードを上げる

描く力とは
対象の特徴を素早くとらえる力
とも言えます。
この力があれば
早く楽に描くことができます。
特徴を捉えるトレーニングとしては
クロッキーがおすすめです。
10分から15分くらいのクロッキーを
沢山こなして観察眼を鍛えましょう。
またスピードを意識して描くことも
集中して観察することにつながるので
効果的です。

絵を描くスピードを上げるには?平均はどのくらい?描くのが遅い方は必見です

 

どうやってスランプを抜け出したか?

わたし自身の経験で
どうやってスランプを切り抜けたのか、
実例をご紹介します。

 

とにかく描きまくる

頭で考えてもどうにもならないことは
あります。
考えて納得いかないことがあっても
やってみたら納得できるかもしれないので
とにかく描き続けました。
描いたデッサンが100枚を超える頃には
出来ることが増え、
数百枚に及ぶ頃には自信もつきました。
描いた枚数が増えていく度に
得たことをノートに書き留め
成長記録として心の支えにしていました。

 

響いた言葉を大切にする

わたしは美術予備校で色々な講師と出会い、
指導してもらってきましたが
自分にとって響く指導をしてくれる人は
自分と感覚が似ている講師や
話しやすい講師だったりしました。
アドバイスされた言葉、
脳内イメージ、
実践してみたときの手の動き
の3つがぴったりリンクして
「そういうことか!」と納得できる瞬間が
ありました。
その時の感覚、
その時の言葉が
モチベーションを高めてくれて
上手くいかないときも
その時の感覚を思い出して
乗り越えることができました。

 

スランプを乗り越えると得られること

スランプに陥っても
描く習慣を怠らずに
前向きに続けていくことで
得られることが沢山あります。

メンタルが鍛えられますし、
何があっても描きづづけられる継続力
がつきます。

またいろいろなアドバイスを聞くこと
によって幅広い価値観に触れることが
できます。
聞いたアドバイスは
そのまま実践しても
なかなか身につかないこともあります。
自分の中に落とし込んでから
自分らしいやり方を見出して
考えながら取り組んでいくことに
なるでしょう。
こうして解決力もついていきます。

このような経験が自分を強くし
描写力アップやアイデアの源
なっていきます。

まとめ

今回は「スランプ」について
お話してきました。

スランプへの向き合い方としては
前向きに気持ちを切り替えていくこと、
技術面でブレずに安定した描法を
目指すことがポイントとなります。

不調な時でもぜひ絵としっかり向き合って
自分らしく解決していってください。
同じ目標を持つ仲間たちに関わることで
自分が良い方向に変わることもあります。

また描くことを長年継続していけば
描くことが習慣化され
つまづくこともなくなってくるでしょう。

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