水を簡単にリアルに描く3つのコツ | どんな水の形態も描きやすくなる

こんにちは、画家の落合真由美です。
今日のテーマは「水の描き方」です。
透明なものってどう描いたらいいのか
迷いますよね。
一見難しく感じる方も多いのではないか
と思います。

自然風景や草花を描く時、
雨上がりや水辺の表現として「水」を
描く場面は意外とありますよね。
上手く描けると絵のリアリティーや完成度が
一気に増します。
苦手意識がある方が多いですが描き方は
そんなに難しくありません!
では、「水」を簡単にリアルに描く方法を
丁寧に解説していきます。

水を簡単にリアルに描くコツは3つ

水と言っても色々な形態があります。

容器に入った水
自然風景の水たまり
水滴
水しぶき
水面の波紋
海や川などの流動的な水

どんな形態の水を描くにしても
描くべき所はこの3つです!

映り込み
陰影
ハイライト

この3つをちゃんと描いていれば
自然と水の佇まいになります。

水自体は透明なので地や背景の色が
透けて見えますね。
また、特にガラス容器に入った水、
水たまりには周りの風景が映り込んでいる
ことが多いでしょう。
映り込みがある場合はまず
写り込んでいる風景を描いてから
ハイライトや陰影を描いていきます。
映り込みがない場合は、
地の色をつけた後に水のハイライトや
陰影を描くと良いでしょう。

水面の映り込みを簡単に描くコツ

水面に写り込んでいる風景は平面的な
二次元であるということがポイントです。
実像の風景よりもくすんでいたり、
暗かったり、ぼやけていたり、
像が歪んでいたりするものです。
そこを意識してぼんやりと描くと
映り込みっぽくなります。

具体的な技法では

鉛筆デッサンなら
硬いH系で描く。
B系を撫でるようにトーンをつけ
擦ってぼかす

油絵なら
白やグレーを混ぜてぼやけたトーンを作る。
いつも通り描いた後に
ファン(扇型の筆)でぼかす。

水滴、波紋、水しぶきを簡単にリアルに描くには

水滴や水しぶき、水たまり、
水の形態に関わらず水には
ハッキリと輪郭線が見えます。
黒に近いグレーっぽい輪郭が見えます。
写真に撮って観察してみると良いでしょう。

水しぶきや水面の波紋など水の動きによって
できる凹凸で輪郭線も入り組んだものに
なってきます。
そのグレーっぽい輪郭線を
丁寧に追ってみましょう。

同じ調子で囲むように描くのではなく、
強弱をつけて。ハッキリ見える所だけ描いて
細かい所は何も描かないくらいで
水の佇まいになります。

 

水滴

水滴は輪郭線を描いた後に影を描くと
簡単に水滴らしい佇まいになります。

 

波紋

円を何重も描くより、
特にハッキリ暗くなっている箇所だけ
抜粋して調子をつける感じで
波紋の印象になります。

 

水しぶき

写真に撮って観察してみると良い
でしょう。
水滴と水の飛び散っている輪郭線
を全部描かなくても
暗くなっているところだけに調子をつけたり
大きくて形のはっきりした水滴だけ
描くつもりで十分水しぶきの印象が出ます。

 

陰影を追うことができたら
次はハイライトをつけていきましょう。

パッと見て白く光って目立っている部分
がハイライトをつけるべき所です。
細かく見過ぎないで第一印象で
強く光っているところだけ
を抜粋して描くようにしましょう。
こうすることで画面に強弱がつき、
水にも立体感が出てきます。

陰影とハイライトがつけられたら、
ほぼ水の印象が出来上がっています。
映り込みの上に重ねて陰影やハイライトを
描くことで映り込みがより
それらしく見えてきます。

水をリアルに見せるための仕上げ

描き終わったら周りの風景などの描き込み
と見比べて
強く描きすぎて浮いていないか
確認してみましょう。
水そのものだけを描いていると
強く描きすぎて周りの状況に馴染んでいない
状態になりがちです。
水の輪郭線は人物や物体、風景などの
輪郭線と比べると
そんなに強くない
ので調整することが大切です。

鉛筆デッサンなら
練りゴムで抑えて調子を弱めに整える、
こすってぼかす、
硬いH系の鉛筆で調子をつけなおす
など。

油絵なら
乾く前ならファン(扇形の筆)でぼかす、
乾いた後なら上から白やグレーの色を
薄くかぶせて調子を和らげる
など。

まとめ

今までの工程をまとめるとこうなります。
水は流動的で捉えどころがなさそうなので
難しく考えがちですが、
描き方はシンプルで難しくないので
ぜひやってみましょう。

水の透明感は基本的に
白、黒、グレーの3色で表現できる。

映り込みを描く場合は色をくすませる、
色を暗くする、ぼかす、像を歪ませる
などぼんやり描くことで
映り込みっぽい印象になる。

水の輪郭線は強弱をつけて追う。

極端に光っているところだけ
ハイライトをつける。

描き終わったら全体感を確認して
周りの風景となじむように弱めに
ぼかす。

このポイントに注意しながら描くと
簡単に水の表現のリアリティーが
増してきますよ。
水の透明感や流れる感じを出すには
やはり強く描きすぎないことが
大事ですね。
あくまで周りの風景となじむように自然に。

流動的な「水」の表現力が付いたところで
雨上がりや水辺の風景、日常の風景の描写
を楽しんでみてくださいね。では、また。

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