絵を描くときの「集中力」が続かない原因とは?絵を描く「集中力」の高め方

こんにちは、
画家の落合真由美です。
今回は
絵を描く時の「集中力」のお話しです。

絵を描くのって
根気と集中力が必要ですよね。
集中力を持続させて描き続けるのは
なかなか大変なことだと思います。

集中できないのにダラダラ描き続けても
良いパフォーマンスを
発揮できませんよね。
上達したいのになかなか集中できない方も
いると思います。

「なぜ集中できないのか?」
「集中力を高めるにはどうしたらいいのか?」
について解説していきます。

 

集中力が続かない原因とは?

集中力が続かない原因は
いくつかあります。

気が散る環境になっていたり、
モチベーションが上がりにくい心理状態
だったりします。

この環境面を整えること

心理的に自分をコントロールしていくこと

の二つの観点から

解説していきたいと思います。

環境面は可能な限り
すぐに変えることができます。
細かくチェックしようとすると
意外と項目が沢山あります。
このあとご紹介しますので
ぜひご自分の環境を
チェックしてみてください。

厄介なのは心理面です。
絵を描くこと自体が
義務感になっていたり、
成果が見えなくて辛い時は
時間が経つのが遅く感じられ
なかなか集中できませんよね。
私にもそんな経験があります。
原因を捉えて
自分と向き合っていく必要があります。

 

集中力が続かない原因【環境面】

 

雑音

雑音が入ったり
絵に関係ないものが目に入ったりすると
気が散る原因になってきます。
日常生活を送る部屋と
絵を描くアトリエは
出来るだけ別にするのがオススメです。
雑音に関して
私は受験生時代は
よく耳栓をしていましたが
結構集中できます。
音楽を聴きながらやるのが
集中できる方もいますが要注意です。
確かに自分の世界に没入して
集中できるのですが、
音楽に気を取られて
モチーフの観察が疎かになっていないか
注意が必要です。

 

どこで描くか?

同じ目標を持つ仲間がいるかどうか
も重要です。
独りで自宅で描くより
学校のアトリエで描いた方が
雑念が入らず
絵のことだけを考えていられます。

 

道具にこだわってるか?

自分が心地良く描けるように
道具にこだわることも大事です。
使っている道具は
しっくりきているでしょうか?
合わない道具を使い続けるのは
ストレスですし
集中が切れてしまいます。
ちょっと見直してみるだけでも違いますよ。

以下がチェックリストです。

◻︎イーゼルはしっかり安定して
設置されていて
高さは自分に合っていますか?

 

◻︎椅子の座り心地は良いですか?
長時間座るので
自分に合った座布団があると良いです。

 

◻︎自分の使いやすい
画材メーカーのものですか?
色々試して使い比べもオススメです。

 

◻︎画材はキレイに研いだり
お手入れが行き届いていますか?
「キレイな道具でないと
キレイな絵は描けない」
と私は思っています。

 

◻︎描き分けがスムーズに出来るよう
画材の種類を揃えていますか?
(鉛筆や木炭なら
柔らかい質のものから
硬い質のものまで、
絵画なら十分な色幅の絵の具)

 

◻︎道具はストレスなく出し入れ
できるよう整理整頓されていますか?
キャスターがついている
引き出しタイプのキャビネット
が沢山収納できて整理しやすく
出し入れもスムーズなので
オススメです。

 

◻︎描いてる最中に画材を
スムーズにチェンジするための
十分な準備がありますか?
鉛筆なら芯先が丸くなってきたら
その都度カッターで削るより
紙やすりをかけたり研芯器を使ったり、
同じ硬度の鉛筆を何本か
揃えておいたりすると良いでしょう。
油絵なら色系統によって
筆を変えるため筆が何本も必要です。
またパレットが汚れたら
すぐに変えられるように
木製のパレットより
すぐにめくれる紙パレットが便利です。
道具によってお手入れ時間を
時短していき、
その分制作に集中するということですね。

 

 

描きたい絵を描いているか?

絵のモチーフはちゃんと
自分の興味のあるものを描いてるか
も重要です。
描きたいものではなく
何となく目についたものを
描いているとしたら
改善の余地があります。
もちろん美術予備校などでは
テーマやモチーフが決められている
ことがあるので、
その場合は義務感ではなく
本当に自分の描きたい方向性に
もっていけてるか?
ということですね。

 

描きやすい照明になっているか?

部屋の照明は描くモチーフに
キレイに当たっているでしょうか?
光と影の割合が
6:4くらいの状態
が描きやすいです。
光の当て方次第で
上手く描きどころを作ることが
できるからです。
光の当て方が悪かったり
逆光になっていたり
自分の影でモチーフが
暗くなっていたりすると
どこを描いたら良いのか分からず
余計に絵を難しくしてしまいます。
自分が「キレイだ!描きたい!」
と思った位置から描きましょう。

 

時間管理

時間管理はちゃんとしていますか?
せっかく作った時間を
大事に使うことで集中力も高まります。
私は受験生時代、イーゼルの端に
デジタル置き時計を設置して
常に「時間」が目に付くように
していました。
この作品に何分費やしているのか?
あと何分で完成予定なのか?
意識することで
集中を高められるようになります。

 

自分の体調管理

自分の体調のリズムに
合わせることも大事ですよね。
自分は朝型なのか、夜型なのか、
どちらでもない中間型なのか、
それに沿って眠気が来やすい時間帯には
しっかり休むことで
自分が集中しやすい時間帯の
パフォーマンスをあげていきましょう。
また自然光を浴びることで
乱れがちな体内時計のリズムを
リセットしてくれます。
絵を描き続けていると
ずっと蛍光灯の室内で過ごしたり
夜遅くまで描いていたりすることが
増えがちですが、
起床後はカーテンを開けたり、
日中に外出する時間を
少しでも作りましょう。

 

集中力が続かない原因【心理面】

 

楽しんでいない

好きなものを描いていない、
好きな描き方をしていないなど
自分自身楽しんでいないことが
心理面で一番の原因かと思います。
上達したいがために
義務感に駆られると時に
見失いがちなことですね。

 

目標が曖昧

目標が定まっていなかったり
目標がフィットしてないことも
集中を削ぐことがあります。
ゴール地点が分からずに
進んでいるようなものなので
純粋に絵を描くこと自体に
集中しづらくなります。
どういう絵を描きたいのか
頭でイメージしたり
言葉に書き留めておいたりすると
効果があります。

 

 

不安定なメンタル

不安なことがあったり
成果が見えずに自信をなくしたり
メンタル的に弱くなっているのも
良くないです。
私は取り組み内容を
細かくノートに記録して
不安や成果を見える化していました。
いつどんなモチーフを
何時間かけて描いて、
何が上手くいって何
が上手くいかなかったのか、
成長するためには次に
具体的に何をするのか…という感じで
記録をしていき、
昨日の自分より少しでも
成長を感じることができました。
さらに記録することで
自分の課題だけでなく強みも
自覚することができ
不安の払拭や自信にも
繋がっていきました。

 

 

描き方に迷ってる

どこを描いていいか分からない、
どんな風に進めていいか分からない
などモチーフをよく見ていないことで
起こるパターンです。
こんな時は自分の画面を
離れた位置から見直したり、
ちょっと休憩を挟むことで
リセットできます。
またエスキース
(着想や構図などの下描きをして
画面計画を行うこと)を
本番前ににしっかりしておくこと、
制作途中で計画がブレていないか
チェックすることも効果的です。

 

 

道具を使いこなしているか?

道具(画材)を使いこなしていないことも
集中を削ぐ原因の一つです。
上手く使いこなせないと
イライラしてしまいますよね。
画材に慣れなくて手こずっているのか、
モチーフの観察の仕方で
手こずっているのか、
これらは似ているようですが別問題です。
ここを混同して考えてしまい
途方に暮れてしまう人が結構います。
自分が何でつまづいてるのか
が分かれば
少なくとも対策することができます。
例えば油絵だったら
画面が乾いてないのにいじれば、
どんどん色が濁っていきます。
デッサンだったら
計画しないで闇雲に描けば、
どんどん画面が真っ黒になります。
画材の特性や扱い方を見直すことも
一つの手です。

 

集中力を高めるには?

環境面と心理面それぞれについて
解説してきましたが

集中力を高める簡単なコツ

もご紹介します。

 

集中できるのは4時間

人間がベストなパフォーマンスをするには
集中する作業を4時間以上続けないこと
が良しとされています。
つい頑張りすぎて
休息を取り損ねないようにしましょう。
自分の体調がベストな時間帯に
集中する時間を持って来れるように
しっかり休憩を取りましょう。

 

リフレッシュも大事

自分なりのリフレッシュ方法も
持っておくのもいいですね。
休憩時間に散歩したり、
仮眠を取ったり、
美味しいものを食べたりなど
頑張った後の小さなご褒美や楽しみを
作る感じです。
絵はじっと座って描くものなので
何か体を動かすことがオススメです。
なかなかモチベーションが上がらない時は
リフレッシュも大事ですよね。

 

模写や細密画

自分の好きな絵の模写をしたり、
細密画を描いたりするのは
没頭しやすく楽しめるので
集中力を上げるにはぴったりです。

 

まとめ

絵を描くための集中力は
「絵を描く」という行為を
継続して経験を積むうちに
どんどん高まっていきます。

最初は描き慣れなくて
なかなか集中できなくても
努力の行為は自分の中で
どんどん自己増殖していくものです。
初めて絵を描いた時より
10回目に描く時の方がより
集中しやすくなってるはずです。

自分が描きやすい環境作りや
自分なりの
モチベーションコントロール方法を
見つけていきましょう。

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