服のシワの描き方と練習法とは?コツが分かればシワの描写は楽しい!

こんにちは、画家の落合真由美です。

皆さん人物画を描くことが
あるかと思いますが
人物画を描く時に出てくるお悩みの一つに
「服のシワを描くのが難しい」
というのがあります。
細かくシワが入っていて
どこから描いたらいいのか分からなかったり
頑張って描いても不自然になってしまったり
する方もいらっしゃるでしょう。

服のシワを描くにもコツがあります。
これから解説することは
簡単に取り入れてもらえるので
是非参考にしてみてください!

服のシワはハーフトーンで作る

服は布製品なので、身体の動きに合わせて
たわんだり伸縮したりと柔らかいのが
特徴ですよね。
その柔らかさを表現してあげることが
ポイントです。

では柔らかさは
どうしたら表現できるのでしょう?
まずはガラスや金属、プラスチックなどの
硬い工業製品を思い浮かべてみてください。
硬いものには、くっきり強めのハイライト
と影が入っています。
明るい部分と暗い部分の差が激しいのです。

では布製品はどうでしょう?
硬い工業製品の様な強めのハイライト
ではなく周りに馴染む様な
柔らかいハイライトが入っています。
明るい部分と暗い部分の差が曖昧なのが
特徴です。

つまりハイライトをぼんやり柔らかく
描けば素材感も柔らかく表現することが
できるのです。

といっても難しいと思うので
簡単な方法をお伝えします。
それはある程度色をつけてベースを
作ってからハイライトや影をつけていく
方法です。

たとえば

鉛筆デッサンの場合

鉛筆デッサンなら鉛筆の芯が
十分に出るように削ってから
鉛筆の側面でやさしくトーンをつけます。
このとき塗りムラが起きない様に
一定の力で鉛筆を動かすと良いです。

トーンを満遍なくつけられたら
次にティッシュでやさしく擦ります。
擦る時もティッシュをキレイに畳んで
一方向にやさしく撫でる様に擦りましょう。
こうすることで鉛筆の筆跡が消されて
フラットでキレイなベースが
出来上がります。
ティッシュで擦ることで
画用紙の目に鉛筆が入っていき
馴染んでくれます。

次に練りゴムを使ってハイライトの部分を
白抜きしていきます。
この時、力を入れすぎに抑える程度にする
と柔らかなハイライトになります。
先程擦って馴染ませていることで
練りゴムで抑えても白くなりすぎない様に
なっています。
また影を描き加えても
ベースがあることで極端なコントラストに
なりづらく自然な影をつけることができます。

 

油絵の場合

服のベースになる色を塗ってから
半乾きのうちに白を使って
ハイライトを入れていく方法です。
半乾きのうちにハイライトを重ねることで
ベースの色と混ざり自然なシワが
出来上がります。
また影をつける時も同様に
ベースの色と混ざることで
自然な影をつけることができます。

描く所は目立つシワだけで良い

 

先ほどは自然なハイライトと影の描き方
をお伝えしましたが
シワが沢山あって
どこから手を付けたらいいのか分からない
という方もいらっしゃると思います。
でも大丈夫です。
描く所は大きな目立つシワだけで
大丈夫です!
服をパッと見た第一印象で
強く光が当たっていて陰影も強い部分を
3~4か所ピックアップしましょう。
その部分を描くだけで服の印象が
大体出来上がります。
終盤で周りにある小さなシワをうっすら
仕上げに描けばOKです。

リアルなシワに見せるコツ

シワをそれらしく見せるちょっとしたコツ
が二つあります。
それはこの二つを意識することです。

稜線(形が切り替わるところ)
反射光

ちょうど形が切り替わる稜線を
やや強めに描くことで立体的になります。

一見、陰になっている部分もよく見ると
反射光によって内側はうっすら明るくなっている
ことがわかります。
反射光も描いてあげるとシワはリアルになります。

この二つを意識すればシワの陰影が
不自然に強くなりすぎることは
なくなるでしょう。

服のシワを上手く描くための練習法

これまでシワを描く簡単なポイントを
お伝えしましたがもっと鍛えたい
という方のために練習法を3つご紹介します。

 

布生地を描いた作品の模写


描くポイントを押さえてあるので
どの部分を描けば特徴を表現できるのか
が分かり、とても勉強になります。

 

服のシワを写真に撮り
写真を模写する


写真に撮ることで三次元を二次元に
変換してくれるので
難易度が下がり挑戦しやすくなります。

 

③赤いシートを使う

色ものの服だと色の濃さとシワの陰影が
重なってどこにトーンをつけたら良いのか
難しいという方は
暗記する時に使う半透明の赤いシート
を使ってみてください!
赤いシート越しに服のシワを観察する
どこが明るくてどこが暗いのか
陰影をつけるべき場所が見やすくなります
なかなか立体感が出なくて苦戦する時は
やってみてください!

まとめ

服のシワの描き方を解説してきましたが
いかがでしたか?
シワにはいろいろな表情があり
実は描きごたえのあるモチーフです。
自然に描けるようになってくると
楽しいですよ。
また、シワは脇役でなおざりになりがち
ですがここがリアルに描けると絵に箔が
つきます!
人物や布製品を描く時に
ぜひ活用してみてくださいね。

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