絵を描くスピードを上げるには?平均はどのくらい?描くのが遅い方は必見です

こんにちは、画家の落合真由美です。

今回は絵を「描くスピード」
についてのお話しです。
よく絵を描く方でも
絵を描くスピードについては
あまり意識することは
少ないかもしれません。

私が描くスピードを意識し始めたのは
美大受験の頃です。
受験はもちろん時間制限があるから
なのですが、
例えば趣味で描いている方や
副業で描いている方なども
空いている時間に効率的に
絵を完成させられたら
時間を有意義に使えるのでは
ないでしょうか?

絵の上達を目指している方でも
実は描くスピードも
絵のクオリティーに関係してくるのです。

 

絵を描くスピードの平均は?

ちなみに私は美大受験生の頃は
描くのが遅い方でした。
描くのが遅いからと言って
一概にダメということではなくて
別の側面から見れば
「慎重に形や色の観察をして
調整している」
という良い見方もできます。
その繊細さや調整力に
スピード感が加われば最強です。

描くスピードの早いか遅いかは
人から指摘されないと
なかなか気づきづらいですよね。

自分で遅いと思っている方は
何らかのお悩みを抱えているのだと
思います。
例えば、形がなかなか決まらない、
明暗のバランスが上手く決まらない、
なかなか細かく描き込めず完成しない…
など。

早いか遅いかどうかの基準は、
同じ作業を繰り返していたり、
制作時間の終盤になっても
全体像が見えていなかったりすると
「遅い」と見られるかと思います。

また、決められた制限時間になっても
イマイチ完成度が低かったり、
見せ場になる描き込みが少なかったり、
弱々しい印象の作品だったりすると
「遅い」のだと思います。

完成して客観的に自分の絵を見た時や
他人の作品と見比べた時に、
自分の作品の印象が「弱い」と感じる方は
描くスピードを意識して上げていくと
絵の完成度が変わっていきます。

描くスピードの平均や目安としては、
以下の様な感じです。

制作制限時間の3分の1の段階で
土台が出来上がっていて、
大まかな明暗の配置やモチーフの全体像
を掴めている。

 

制作制限時間の3分の2の段階で
形をしっかり描き起こしていて、
ほぼ完成形に近い状態。

特に美大受験生は
制限時間の折り返し地点で
ほぼ作品が出来上がっていて、
後半はディティールを描き込んで
クオリティーを上げることに徹する
という様なスピード感が理想です。

 

絵を描くスピードを上げるには?

絵を描くスピードを上げるコツは
ズバリ意識改革です。

制作の制限時間の半分の時間で
完成させる意識を持つことです。
6時間の制作時間なら
3時間で描き上げるつもりで取り組みます。
これだけで描くスピードが速くなり、
かなり効果があります。

描くスピードを速める具体的なコツ
5つあります。

①意識を変える
②画面計画をしっかり行う
③最初に形を確実に決める
④完成イメージの色づけを序盤で行う
⑤画面から画材を離さず描き続ける

それぞれ解説していきます。

①意識を変える
例えば美大受験では
制作の制限時間は最低6時間ですが、
その半分の3時間で
完成させる意識を持ちます。
実は、
絵はどんな大きさの絵でも
3時間で描けるメカニズム
になっています。
全体の構成を決める

全体のベースを作る

形を描き起こす
描き上げる工程はシンプルに言うと
この3工程です。
描き込みの細かさは別として
一つの作品としてどんな大きさの絵でも
3時間で描くことができます。
絵は全体のバランスを見ながら
モチーフ同士の関係性を
描き分けていく行為なので、
全体的に描き進めていくのが
本来の描き方です。
最初は大きく全体を捉えて、
時間を掛けるごとに
描く範囲が細分化されていく仕組みです。
この3時間で描き上げるという工程が
無謀だと思った方は、
普段のモチーフの見方や描き方が
偏っている可能性があります。
こういう方は
端からじわじわと描き進めていて、
全体の関係性を捉えるのが
弱い傾向にあります。
このメカニズムを覚えておくと、
自分の描画スタイルも描くスピードも
安定させることができます。

②画面計画をしっかり行う
最初に完成状態をしっかりイメージして
計画することは言うまでもなく大事ですね。
迷いながら描いていたら
進まないのは当然です。
小さな簡易的な完成図を
あらかじめクロッキー帳に描いて
確信を持ってから描き始めましょう。

③最初に形を確実に決める
形が決まらないまま明暗をつけたり
ディティールを描き込んでいくのはNGです。
私は学生の頃、
なかなか形が決まらない時
「徐々に決めていけばいいや」とか
「明暗をつけていけば形も
とりやすくなるかも知れない」
と思っていました。
でも、ある程度描き進めてから
形を描き直すのは容易いことではなく
二度手間になってしまいます。
悩みながら徐々に描き進めていっても
永遠に完成しないことが多いのです。
最初に形をしっかり測って決めるのが
スピード感をもって絵を進めていく上では
必須です。

④完成イメージの色づけを序盤で行う
私はかつて、
慎重に明暗を観察しながら
じわじわとトーンを作り込んでいくタイプ
の描き方をしていました。
トーンの綺麗さや繊細さを大事にしていて、
徐々にトーンを重ねていった結果、
制作時間ギリギリに
完成が見えてくるような描き方
をしていました。
弱点として、
完成した作品が何か物足りなく
弱々しいイメージになりがちでした。
つまり描き込みが足りないということです。
こうならないために、
完成イメージの色を最初から
思い切りよくつけてしまうのが得策です。
例えば、
鉛筆なら
始めから3Bくらいを使って
しっかり濃さを出していきます。
油絵なら
完成イメージそのものの色を混色して
最初からしっかり絵の具をのせていきます。

⑤画面から画材を離さず描き続ける
描くスピードや描き込みの量に
徹底してこだわるなら、
限られた時間の中で手を休める時間を
少しでも無くしていく
というのが極論です。
もし美大受験などで
時間の勝負を強いられているなら
この対策が有効です。
自分では自覚がないかもしれませんが、
実は描いている途中で手を離して
自分の画面の出来を確認している瞬間が
誰しも多いものです。
この手を休める瞬間を無くしていく
ということです。
画面の全体感を確認するにしても
手を動かしながら確認するようにすると
良いでしょう。

 

絵を描くスピードと絵のクオリティーの関係

描くスピードを速める5つのコツ
を実践することは
自然と描画技術や描画クオリティー
のアップに繋がります。

どういうことかというと…

①意識を変える
制作時間に猶予ができることで
自分の限界を超えた描き込みができます。
また、落ち着いて画面全体のバランス感を
調整することができます。

②画面計画をしっかり行う
短時間で計画を組み立てる判断力や
集中力がつきます。
絵は自分のイメージや考えを表現する場
なので
自分の意思を確立すること、
それをはっきり第三者にわかる形で
パフォーマンスすることが求められます。
この部分を鍛えることができます。

③最初に形を確実に決める
形が早い段階で正確に取れるようになる
のは大きな強みです。
描画力アップに直結しますね。

④完成イメージの色づけを序盤で行う
この実践こそ
描くスピードが劇的に変わります。
無駄な工程がなくなります。
自分の絵の表現をするための
最短ルートをマニュアル化できるくらい
研究していきましょう。

⑤画面から画材を離さず描き続ける
根性論のようなものですが、
根気や持久力がつくこと間違いなしです。
徐々に自分の身体が
スピード感のある描写に慣れていきます。

描くスピードに課題がある方もない方も
これらの実戦で
描く工程の見直しになるでしょう。

 

まとめ

絵を描くスピードについて
お話ししてきました。
スピード感については、
ある程度基礎を実践してから
見えてくる課題なので
少し上級者向けだったかもしれませんね。

普段なかなか絵の描き込みが進まない方や
完成度に満足がいかない方は、
ぜひ実践してほしい取り組みです。

自分の絵の最終完成状態を
しっかりとイメージしてから
取り掛かることが重要です。

例えば今までの作品が
満足のいく出来ではなかったとしたら、
一度制限時間関係なく
何十時間かけても良いので
納得のいく自分の限界まで描き込んで
「今の自分の最高の状態」
を目に焼き付けるといいでしょう。
その最高の状態まで
制限時間内で持っていけるように
取り組んでみましょう。
大幅なレベルアップが期待できます。

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