独創的な絵を描くには?初心者もすぐにできる簡単な3つの練習法

こんにちは、画家の落合真由美です。

独創的な絵を描こうと思ったら、
「奇抜なアイデアを絞り出してみたり、
人と違う特殊なことをしてみたり
しないと」と感じるかもしれません。

そして、アイデアの絞り出しは
発想力や才能ありきな感じがして
苦手意識を持っている方も
いるかもしれません。

逆に、変わった面白いことをすれば、
独創性においては
画力がなくても成立する
と思っている方もいるかもしれません。

独創性とは発想力と画力の相乗効果
で生まれるもので、
どちらかが欠けてもダメですし、
自分の感覚を探究していくうちに
思いがけず出てきたりするものです。

 

いきなり独創性のある絵は描けない

絵を始めたばかりで、
まず自分の好きな世界観とか画風
にこだわることから始める方がいますが、
このやり方はあまりオススメできません。

基本の描写力が備わっていない段階で
独特の表現をしようと思っても
作品が破綻することが多いです。

例えば、こんなことが起きます。

表面的で何か物足りない
絵の印象が弱い
画面が単調で見せ場がない
どこかで見たことのある感じで感動がない
色がキレイに見えない
意図が見えない

などです。

なぜ自分のやろうとしている表現が
上手くいかないのか?
それは描写力が関係してきます。

たとえデフォルメして描くにしても
抽象的にアレンジして描くにしても
技術が必要になってきます。

デフォルメとは
物の形を変形させたり
誇張したりすることですが、
形の特徴を掴む力
(細かいところは省いて
大きな変化だけを抜粋して描きとる力)
がないと当然アレンジはできません。

抽象っぽく見せた表現でも
テーマが伝わる構図、
見どころ、画面の奥行き、
構成の心地良さやインパクト、
色のキレイさなど
鑑賞者を引き込む材料が必要です。

これらの鑑賞者を引き込む材料は
対象をありのままに観察して
写実的に描けば自然と出てくるものです。

現実の世界には空間の奥行きがあり、
光と影があり、
複雑な姿形の面白さがあり、
それらを描き写すだけで
画面にリズムや見どころが
生まれるからです。

非現実のデフォルメや抽象だと、
それらを意図的に作らなければいけない
ので難易度が増します。
独創的な作品は発想力だけでは
難しそうですよね。

 

独創性は基本から生まれる

デッサンなど基本の描写力トレーニングを
積んでいくと、
自分なりの描き方の傾向が
何となく出てきます。

そして一つの画面にまとめる力も
自然とついてきます。
この「画面にまとめる力」というのが
重要でモチーフの構成の仕方や色の強弱、
力の抜き差しなどのバランス
をとって描き上げる力のことです。

これは抽象画など
あらゆるジャンルや画風の絵を描く場合
でも発揮される力です。

また、デッサンを強化することで
観察力も増していきます。
徐々に独特の着眼点を持てるように
なるでしょう。

これが後々独創性に繋がっていきます。
まずはしっかり
デッサンで基本練習すること
をオススメします。

 

独創性とは何か?

基本を大事にすることで
なぜ独創性に繋がっていくのか
3つに分けて解説します。

 

 

①独特のタッチ・世界観

②独特の着眼点・アイデア

③画面にまとめる総合力

 

 

①独特のタッチ

絵を枚数をこなすごとに
徐々に自分の好きな色系統や得意な色系統
が決まってきます。
これが後々、
自分にしか出せない色のニュアンスや
自分らしい世界観に繋がっていきます。
また、使いやすい筆や
お気に入りの描き味の筆が出てきて
自分なりのタッチが出てくるでしょう。

 

 

②独特の着眼点

デッサンや写実的な油絵などに
取り組んでいると
自然界や現実世界の些細な表情や色、
構成などに感動を覚えたりします。
例えばりんご一個の観察と描写だけでも、
普段何気なく見てるだけでは分からない
特徴や魅力に気づいたりします。
りんごをよく観察すると
こんな気づきがあるかもしれません。
「よく見たら左右非対称で
面白い凹凸感があるなあ」
「りんご表面の斑点の大きさが
場所によって違って面白いなあ」
りんごをしばらく放置しておくと
表面の質感の変化にも
気づきがあるでしょう。
例えば、水分が抜けて乾燥してきて
「表面の皺の表情が面白いなあ」
と感じたり。
本当によく見ないとわからないところに
気づいて感動できるようになります。
こんな感じで徹底的にある一つのものを
よく観察して自分の興味を
引き出してみるのです。
そしたら他人とは違う視点で
アプローチできるかもしれません。

 

 

③画面にまとめる総合力

絵を描くにあたって意外と一番難しいのは
画面全体のバランスを見ることなのです。
「力の粗密」とか「力の抜き差し」とか
言ったりしますよね。
描き込みの程度は
エリアごとに思い切り密に描き込むところ、
ある程度描き込むところ、
少し手数を引き算すべきところ
といった差別化が必要になってきます。
やりすぎても足りなくても纏まらない
絶妙なバランス感覚です。
この感覚ややり方は
単純にマニュアル化できるものではなく、
場数を踏んでいくことでしか
習得できない力です。
もちろん生まれつきバランス感覚の良い方
もいます。
この総合力こそ画家の力であり
独創的なアイデアや画風を
まとめて一つの作品にする力と言えます。

 

自分の独創性を引き出す練習

独創性を引き出すために
オススメの練習方法があります。
この順番通りやる必要はなく、
同時進行でもいいですし、
できそうなことを選んでやるだけでも
効果がありますよ。

 

①デッサン
②観察の特訓
③発想力の強化

 

 

①デッサン

デッサンを頑張り、
基本の描写力をつけます。
なるべく見た通りに描ききります。
背景などもアレンジしないで
見たままに描きます。
観察力、観察したことをまとめる力を
つけていきます。

 

 

②観察の特訓


派手な特徴のないシンプルな形のモチーフ
(りんご、みかんなど)を一つ用意し、
徹底的に観察します。
絵は描かないで
ただただ観察することだけに徹します。
部屋をうす暗くしてモチーフに光を当て、
10分くらいかけて、
観察に集中します。
見つけた特徴やキレイだと思った特徴を
何十個も書き出していきます。
絵を描く時は「描く」行為に夢中で
意外と観察に集中できていなかったり
します。
本来は「描く」よりも「見る」ことが
大切です。

 

 

③発想力の強化


普段何気なく過ごしている時でも
色々なモノや出来事にアンテナを張り、
発想を展開していく必要があります。
例えば何かお題を出された時に
目の前にモチーフがなくても
その特徴を挙げられるでしょうか?
「みかんの特徴を何も見ずに
30個以上挙げてください」
と言われたら
スムーズに出てくるでしょうか?
実は絵描きとそうでない人とは
出てくる数に圧倒的な違いがあります。
絵描きでない人は
モノを象徴的に捉える傾向がある
のに対して
絵描きは
色や形態、質感のわずかなニュアンスを
日々感じ取っています。
日常でどれだけ感受性豊かに
アンテナを張ってるか?見ているか?
の違いですね。
何かキーワードを決めて
特徴を30個言うトレーニング
をしてみましょう。

 

まとめ

独創的な作品は
興味や観察を
ワクワクしながら深掘りしていくこと
で生まれるのだと思います。
この「ワクワク」が大事ですね。

現実世界の誰も気にしないような
些細なことに気づいて、
魅力を探求していく。
今自分のいる部屋の
壁のシミのグラデーションを観察して
きれいだなと感動しても良いのです。

周りから見たら
ちょっと病的で異常な感じがしても
それも立派な目の付け所です。
そこから独創性に繋がっていくでしょう。

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