手の描き方とは?|簡単なポーズや影の付け方など初心者でも描きやすいコツを解説します

こんにちは、画家の落合真由美です。

今回のテーマは「手の描き方」です。

絵を描く時に気軽にモチーフになる
「自分の手」。
形が複雑でデッサン力アップに
良いモチーフですが
手を描くのが苦手な人はけっこう多いです。

人物を描くときも手の部分が
ネックになってなかなか進まないことも
あります。
わたしも絵を習いたての頃は苦手でした。

今回は魅力的な手を描くためのコツ
分かりやすく解説していきます。

 

理想の手の描き方をイメージする

手を描くときにみなさんが理想とする
「手」はどんなイメージでしょうか?

魅力的に描かれている手には
こんな特徴があると思います。

 

柔らかくふっくらした質感が
再現されている

 

人間らしい骨や関節、血管や筋肉を
感じて今にも動き出しそうに見える

 

どんな手の仕草をしている最中なのか
伝わってくる

 

どこに力が入っているのか感じ取れる

 

その人らしい形や指の長さ、皮膚の質感、
骨の見え方、しわの入り方など
個性を表現できている

 

 

手も顔と同じくらい細かい特徴が
ありますし、個性もあります。
指を描くにしても
まっすぐな平行線ではなく
微妙な凹凸があります。
顔を描くときと同じくらい
細かくじっくり時間をかけて観察すること
で魅力的な手を描くことができます。

自分がどんな風に手を描きたいのか
まずは理想をイメージしてみましょう。

 

手の描き方のお手本

イメージトレーニングとして
手を魅力的に描いている作品を
たくさん見ることから始めましょう。

巨匠たちの作品を見ると
手も顔と同じくらい丁寧に観察していて
描き込んでいることが分かります。

どんな手を描きたいのか、
理想とするお手本をいくつか持っておくと
描きやすくなります。

 

手の描き方のコツ

ここからは手の描き方のコツ
具体的に解説していきます。
出来そうなことから実践してみてください。

 

形をきちんと測る

それぞれの部位が全体に対して
どのくらいの大きさで
どのくらいの長さなのか目測していきます。

以下の部分を気を付けて観察しましょう。

 

指の長さとと甲の長さの比較

 

それぞれの指の第一関節、
第二関節、指の付け根までの長さの比較

 

甲に対する指の太さの比較

 

光と影を6:4に設定する

光が強く当たっているところ、
影ができているところを
描き分けることによって
自然と形が立体的になっていきます。

光を強めに当てて形を見やすい状況を
作りましょう。
描きやすい設定は光と影が6:4くらい
なるように光を当てるのがポイントです。

 

関節の動きを観察する

関節の曲がっている微妙な角度などを
目測したり形を正確に描くのは
難しいですがコツがあります。

美術用語ではポジ(ポジティブスペース)と
ネガ(ネガティブスペース)というものが
あります。

 

ポジとは
モチーフそのもののシルエットのこと
ネガとは
その周りの余白の空間のことを指します。

 

写真の青斜線はポジ赤斜線はネガです。

 

通常絵を描くときはポジの部分を観察して
形を描いていきますが
複雑な形を先入観なく描く手段として
ネガスペースを観察することがあります。

特に先入観で描いてしまい
観察がおろそかになりがちな初心者は
ネガスペースである余白の部分を
観察するとで正確に形を捉えることが
できます。

 

たとえば手を描くなら
手そのものを観察しますが
そうではなく手の背景に当たる
余白部分の形を正確に観察して描くことで
結果的に手の輪郭線を
正確に描いていることになります。

余白はどんな形をしているんだろう?
と無心になって
じっくり観察してみてください。

 

手の厚みを表現する

手の厚みを表現するには
ハイライト(光が当たっている部分)や
影になっている部分
丁寧に描くことがコツです。

 

手を描くコツをまとめると
手は形が複雑なので
ほかの部位と長さや太さを比較しながら
形を決めていくことが大切となります。

 

簡単な手のポーズ

比較的簡単に描きやすい手のポーズ
ご紹介します。

苦手意識のある方や初心者の方は
初めは描きやすいポーズから
挑戦してみるのもいいですね。

 

厚みがわかる斜めからの視点にすることで
立体的に描きやすくなります。

 

 

指が同じ方向に曲がっているポーズ
描く部分が少なくなるので
描きやすいでしょう。

 

 

手の甲が中心に見えているポーズ
シワなどの細かい部分を省いて描くことが
できます。

 

 

爪を描かなくて済む手のひら
比較的簡単です。

 

影の付け方

まず手のポーズを決める時に
きれいな影ができるポーズを選ぶのが
ポイントです。

「この影の形なら描きやすそう」
「この影のグラデーションがきれいだから
描きたい」など
わたしは影の見え方のきれいさで
ポーズを決めています。

影をつけるポイントは
一番強い影をきちんと把握することです。

手の甲や手のひらは
大きな面での影が出やすいですね。

指の側面にできる影を描くと
指の立体感を表現できます。

陰影は強く描きすぎると
金属みたいになりがちです。
やさしく自然にぼかす感じで
周りの色とつなげていくことで
皮膚の質感が出てきて手らしくなります。

 

人物全体像の中の手

手だけにフォーカスした絵ではなく
人物の全体像を描く場合の
手の描き方のコツは以下のようになります。

 

顔や体との大きさのバランスに注意する

手は小さく描きがちですが
手を広げた時に
顔の大きさと同じくらいになるものなので
大きさを比べながら描きましょう。

 

 

形の要約

細かい部分は省いて
大きな手掛かりだけを描けば大丈夫です。

人物全体像を描く際に
どんな描き方をしているのか作品を
参考にしてみてください。

 

 

何の仕草か?何の動作か?

人物の体の動きと手の動きが
チグハグにならないように
上手くつなげていきましょう。

どんなポーズをしているのか、
どんな仕草をしているのか、
どんな動きをしている最中なのか
状況を把握して
どの部分に力が入っているのかまで
状況設定したうえで描いていくことが
大切です。

人物デッサンが最短で上手くなる!人物らしく描くための8つの攻略法

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まとめ

手の描き方を解説してきました。

手の仕草一つでモデルの意志が
伝わりますよね。
魅力的な手の表情や動きを描写することで
作品にも物語ができて
見るものは引き込まれます。

ただ観察して描くだけではなく
モデルの内面まで表現できるような
素敵な人物画を描けるようになれると
楽しいですよね。

その一歩として手の描写は
とても大切なことだと分かります。
ぜひ実践してみください。

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