ネガとポジとは?絵やデッサンでの意味を分かりやすく解説

ネガとポジは、絵やデッサンで形を
とらえやすくするための見方の一つです。
モチーフそのものだけでなく、周りの空間
にも注目すると、形のずれや構図のバランス
に気づきやすくなります。
この記事では、ネガとポジの意味と、
デッサンでの活用方法を
分かりやすく解説します。

 

ネガとポジとは

デッサンにおいて不可欠な
「モノを観察して正確に描写する」
という行為はよっぽど訓練を積んでも
主観的になりがちですし偏見を持ちやすい
ところがあります。
常に客観性を欠くことなく
正確にデッサンするのは大変なことです。

デッサンに
少しでも気を楽にして取り組むために
役立つ考え方の一つとして
「ネガとポジ」があります。

ネガとはネガティブスペースのことで
モチーフの周りの余白の空間のこと
を指します。
ポジとはポジティブスペースのことで
モチーフそのもののシルエットのことを
指します。

いつもと違った視点でモチーフを観察して
いきましょう。

 

ネガとポジの意味

デッサンをするときは
モチーフに対して背景があり、
モチーフが主役で背景が脇役であるという
認識があると思います。
しかし今回の考え方は
モチーフと背景を主役・脇役の区別をせずに
対等に捉えていこうというものです。

通常の考え方だと
モチーフがポジ、背景がネガにあたりますが
モチーフをポジ、背景をネガと
捉える瞬間もあれば
背景をポジ、モチーフをネガと
捉える瞬間も意識的に作っていきます。

状況を反転させて観察することで
見方が新鮮かつ正確になり
説得力のある画面を目指すことができます。

デッサンとは画面全体をモチーフが存在する
奥行きのある空間としてみせることが
目的です。

このネガポジの考え方でデッサンを進めると
通常希薄になりがちな
背景や余白へ意識を向けることができます。

誰しも一度は目にしたことのあるだまし絵
「ルビンの壺」を思い浮かべてみてください。

ルビンの壺とは
デンマークの心理学者エドガー・ルビンが
考案した多義図形のことで
背景に黒地を使った白地の図形で
「向き合った二人の顔」にも「壺」にも
みえるというだまし絵です。

壺としてみている瞬間は
壺がポジで背景がネガにあたります。

二人の横顔としてみている瞬間は
状況が反転し壺だったスペースは
背景であるネガに変わりますね。

容易に反転できるのは
双方のシルエットが
ともに意味があるからです。

この「ルビンの壺」の見方を
デッサンにも応用していきます。

背景はどんなシルエットをしているのか
注意深く観察してみましょう。
背景のシルエットを正確に描くことで
必然的にモチーフのシルエットを
正確に描いていることになります。

背景の形に意味を見出せば
自然とモチーフの形にも
存在感が出てくるのです。

このような観察の仕方は
複雑な形のモチーフを描くとき、
モチーフの数が多いときに
特に有効に働きます。

ネガとポジを意識し続けて描き進めることで
安定感のあるデッサンになっていきます。

 

デッサンでネガとポジを見るコツ

デッサンで陰影の調子をつける時にも
ネガポジを意識するのが有効です。

調子をつけている部分は
モチーフの形態を引き立たせるための
背景(ネガ)としての調子なのか、
それともモチーフそのものの
ポジとしての調子なのか
何を表そうと描き進めるのかを
明確にしましょう。

今調子をつけているのは
ポジなのかネガなのか、
何に対してポジなのか、
何がネガにあたるのか
相対するものの関係を明確にしながら
描き進めることで
手数に無駄がなくなっていきます。

ネガポジの関係を明確にしないと
空間とモチーフの状況設定が曖昧になり
物の前後関係や配置、距離感などに
破綻が起き全体がまとまらないデッサン
になりがちです。

せっかく調子をつけて
形を描き起こしていっても
細かく描き込んだ部分が浮いてしまったり
全体感が整わないデッサンに
なってしまいます。

細密デッサンをする場合はなおさらです。
どこをネガにしてどこをポジとして
見ていくか明確に意識していくことは
細密に描き進めるにあたっての土台
になります。
細部を描き込む際も
細部の何をポジにすれば
何がネガとして成立するか
永遠と粘り強く描き終えるまで
意識していきましょう。

 

細密画の描き方を確認したい方は、
こちらもご覧ください。

細密画の描き方とは?初心者向けに描き込みのコツを解説

 

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ネガとポジで形をとりやすくなる理由

ネガポジを意識した見方をすることによって
形を正確にとりやすくなります。

描きづらい環境でもブレずに描ける

明暗が見づらく形をとらえにくい環境でも
ネガポジを意識することで
明暗に頼ることなく形を素直に観ることが
できます。
ネガとポジを場面によって反転させて
観察することでモノの輪郭を
丁寧に観ることができるので
形の正確性がアップするのです。

 

偏見をなくして観察できる

ネガポジの考え方は
私たちの偏った見方、主観的な見方を
訂正してくれます。
普段、モノを名前で呼んでいる私たちは
無意識にモノの形に対して
固定観念を持ってモチーフを観察しています。
この固定観念によって実際に見ている形が
どんな形をしているのか気づきにくい状態に
なっています。
普段見慣れた見方を反転させて観察する
ネガポジの考え方は
私たちの固定観念を崩してくれる
有効な考え方のひとつです。

 

背景の形を正確に描ける

背景に意味を見出すことで
余白に緊張感が出てきます。
余白がただの画用紙の白として扱うか、
それとも奥行きのある空間として扱うか、
この違いでモチーフの描写の仕上がりに
違いが出てきます。
背景の形を正確に描けば、おのずとモチーフ
の形も正確に描いていることに
なります。

 

バランスを見て描くことができる

ネガポジの意識によっておのずと
全体を見比べながら形を描いていくことが
できるので、形の狂いに気づきやすく
なります。
モチーフと背景を含めた全体のバランス
が整った正確な形を描くことができます。

 

形を素早く取ることができる

特に調子をつけている瞬間は
何も考えずに何となく調子をつけていること
が多いものです。
ネガポジ相互の関係を意識することで
置かれた線や調子がモチーフの何を
描いているのかという認識が
はっきりしてきます。
素早く形を認識できるので、
形を正確に描くことに繋がります。

 

前後関係を上手く描ける

モチーフが微妙に重なっているときや
画面に登場するモチーフの数が多い時は
特にそれぞれの配置の状況を
正確に伝えるのに
ネガポジの考え方が役に立ちます。
ネガポジで見ることによって前後関係や
モノ同士の距離感などを掴みやすくなります。

 

全体のバランスを見ることができる

デッサンとは見えるもの自体を
個別に一つ一つ描いていくのではなく
画面全体の中でそのモチーフが
どのくらいの大きさで
どのような配置になっているのか
ひたすら相互関係を比べていく行為です。
周りと見比べることによって、
形もより正確に描くことができるのです。

 

まとめ

ネガとポジのように相対的な見方をして
関係性を掴むことはデッサンにおいては
最も難しく最も集中力のいることで
最も重要なことです。

そして観察行為に新鮮味も
もたらしてくれるのでデッサンの楽しさも
再認識させてくれます。

いつもと違うアプローチで描いたら
描く時間も楽しくあっという間に
過ぎるかもしれませんよ。

デッサンがマンネリになったり
スランプになってしまったら
今回のような見方で描いてみるのも
おすすめです。

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